大雪とSystems Resilience – アイデアソン、ハッカソンの取材を終えて2014/2/14

大体、台風とか大雪とかになっても、僕が存在自体を忘れているので、そう言えば!と良い頃合いでなるのですが、以前、「駅情報検索」というサービスを作りました。駅の名前を入力すると、駅と、その駅に乗り入れる路線をキーワードに含む、Twitterでのつぶやきを一覧することができます。一応、スマホ最適化もしてあります。

駅情報検索

Twitter APIとHeartrails Expressを利用させていただいて、以前はanpiレポートとも連動して、その駅に関わる安否情報の表示もしていました。そう、これ、そもそもは震災の時に作ったんですね。僕は横浜にいて、停電があって、近所のスーパーもガソリンスタンドも混乱していて、何ができるかという時に、とりあえずライブに鉄道の情報を把握できるようにするのは一つの解かなあと。これ3/12に初期バージョンリリースして、詰めてく頃には落ち着いてたんですけど、どっちかって言うと、震災以降に役に立ってるというか、身内でそこそこ使ってもらってます。

ところで、ユレッジで、Race for Resilienceのアイデアソン、及び、ハッカソンの取材を終えました。アイデアソンは僕が、ハッカソンは三橋ゆか里さんに取材をお願いしました。

イベント・レポート:Race for Resilience アイデアソン – ユレッジ : 日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイト
イベント・レポート:Race for Resilience ハッカソン – ユレッジ : 日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイト

このハッカソンの記事の冒頭に書いたことが(そこだけ僕書きました)、ユレッジでの今回の取材シリーズを行うモチベーションだったのですが。

アイデアの実現可能性、そして、ハッカソンという方法論によるそのアイデアの実現可能性、それらが地震防災にどう役立つのか。

ということですね。色々なアイデア、色々なハックが出たようです。

その上で、児玉さんと話していたことを思い出します。

「インタビュー:放射能は取り除ける」 – 児玉 龍彦 / 東京大学アイソトープ総合センターセンター長 / 東京大学先端科学技術研究センター教授 – ユレッジ : 日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイト

【加藤】イノベーションって、先程の車などのお話も出ていましたけど、色々な捉え方あると思うのですが、一つの側面はクライシス・レスポンス(危機対応)というような、危機に直面した時に新しいものを生み出さなければいけないという話だと思います。

【児玉】今のクライシス・レスポンスという言葉には本質的な意味があると思っています。というのは、例えば自動車などを考えた時に、製品には色々な要素がある。それで、それらの要素のどれが本当に重要な要素かというのはよく見えない。価格とか、機能性とか、ブレーキが良いとか、色々あります。だけれど、ある程度、社会の中の存在としての自動車ということになると、環境への負荷が大きいか小さいかというのは、成長の限界になる。それがクライシス、四日市の大気汚染や東京の光科学スモッグなどの問題に直面した時に、日頃たくさんの物事があって、どれが本質かわかってない要素が見えてくる。お米の検査機の場合も、単純に検出感度を上げるという問題ではなく、福島へ持って行くと周辺の放射線量が高いわけですよね。そういうところに機械を持って行くと、感度が良すぎる機械ではノイズばかりになってしまいます。だから、シグナルを上げるよりノイズを減らす技術が、あの機械では鍵になっているのです。シグナルを取る技術というのは今いくらでもあるわけです。専門家がそれはできないよというのは、至るところに放射線がある環境で、細かなものを見たらバックグラウンドばかり拾っちゃうよねという心配。PETで1mmの人間の癌を探すように、米でもシグナルは十分取れます。けれども、今まで見えにくくて大事だったのは、ノイズを下げなければならないということで、そこに開発していた技術が役に立ったのです。だから、シグナルが取れれば良いとか、コストが安ければ良いとか、色々なポイントがあるけれど、ノイズを下げる技術が細かなシグナルを取る時には大事で、それができたために、周りが汚染されている環境でも検査できるようにまとめあげることができたことが一つの味噌であり、それがイノベーションなのです。

で、自分が作った超簡単なWebサービスをイノベーションと言い張るつもりは毛頭ないわけですが、一方で、クライシス・レスポンスで生まれたものが、他の目的にも使い続けられるって言うのは一つ大事なことだと思うんですよね。駅情報検索って、ようは「困っている人の声は困っている人の役に立つ」ってことで、多分、僕が用意したのは一番、楽で、手抜きで、クリエイティブでない方法なんだけど、まあとりあえず使える道具ではあるかなあと思います。

ところでシステムズ・レジリエンスという研究があります。

システムズ・レジリエンス―回復能力を構築しより信頼できるシステムへ

以前、少しだけお話をうかがう機会があったのですが、これはプログラムの固まり、だけを指すのではなく、環境とか人とかそういうものを含めたシステム、というものを捉えているというような話でした。でもこと防災ということに関してはまさしくそういう人までを含めた設計が大事で。

三橋さんの取材からの引用です。

Race for Resilienceをハッカソンという一言で片付けてしまうことには違和感を覚えました。なぜなら、それぞれサービス内容やアプローチは異なるものの、誰もが防災・減災という明確で確固たる目的を持って取り組んでいるからです。皆が、具体的な「誰か」の顔を思い浮かべてサービスを作っている。

日本の知識や経験を活かし、発展途上国ならではの課題を特定し、具体的な利用者を思い浮かべてプロダクトに落とし込む。 そこにある作り手の姿勢には、サービスに携わる人なら誰でも学ぶべきものがあると感じました。

そうやっていくと、僕の感覚としては、ハッカソンであることより、むしろ、クライシス・レスポンスであることの方が意味があって、ハッカソンって言わば、バーチャル・クライシス・レスポンス、なんですよね。

だから、プロトタイピングが短期間で行える、という意味において、ハッカソンには意味があるけど、「困っている人の声は困っている人の役に立つ」みたいな単純な原理が、そこにきちんと定義されて埋めこまれているか、みたいなことがこういうことには大事で、Resilienceという言葉を担保するロジックとその実装が大事なんだろうなあと思います。

ハッカソンは出張あったので観に行けなかったんですけどね。ただ三橋さんが言っているように、「それぞれサービス内容やアプローチは異なるものの、誰もが防災・減災という明確で確固たる目的を持って取り組んでいるからです。皆が、具体的な「誰か」の顔を思い浮かべてサービスを作っている。」この部分をしっかり作りこんでいくことが、ハッカソンとか、オープンデータとかいうことより、本質的には重要なことだというのが僕の考えです。

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