承継の話 – マインドセットとその可視化について2016/10/12

よく申し送りとか引き継ぎとか言うわけですが、僕が関わっているカナエールというプロジェクトは年次のプロジェクトでして、毎年、僕が所属する実行委員会にも更新みたいなものが(一応あり)、新しいメンバーも含めて1年が始まります。そういう時に大事なのがこれまでのことを上手に繰り越すことかなあと思います(上手にという言葉が割と適切な気がする)。

マインドセットという言葉をご存知でしょうか。僕がマインドセットという言葉を初めて覚えたのは、ブランディングの勉強の時に『ブランド・マインドセット』という本を読んだ時のことでした(学生だったけど)。特にビジネススクール的な分野で割と昔から使われていた言葉のように思うのですが、たまたま見つけた中ではグロービスのWebサイトに掲載されていた説明が分かりやすかったです。

マインドセットとは | ビジネススクールならグロービス・マネジメント・スクール

①製品特性、事業特性
例えば、製品ライフサイクルの短いハイテク、テレコミュニケーション業界では、スピード、特に意思決定のスピードが必要で、リスクや意見対立を恐れない組織文化が求められる。

②戦略、ビジョン、企業理念
例えば、ある企業が「高い技術力によって、マーケット・リーダーになる」というビジョンを掲げたとする。技術力をつけて市場シェアを高めると「技術力なくして、我が社なし」というマインドセットが形成される。

③企業が経験してきた出来事
例えば、革新的な社風と素早い事業展開で知られていたある大手企業が、社会的問題を引き起こした事件をきっかけに、「必要なリスクは恐れない」というマインドセットを失う場合がある。 エドガー・H・シャインは、こうしたより深い部分であるマインドセットこそが、組織文化の本質だと述べている。組織文化を考えるときには、組織のマインドセットを点検することが重要となる。

いやあ、これだと思うんですよ(唐突)。承継されるべきことってざっくりこれなんだなあと。つまり。

①プロジェクトの特性、担当領域の特性
②戦略、ビジョン、ミッション
③これまでプロジェクトが経験したこと

まだ関わり始めた頃に、前年自分が問題点と感じたことがそれこそ上手に引き継がれなくて、なかなか歯痒い思いをしたこともあるのだけれど、今にして思うと、渡し方が良くなかったのかなあと思うのですよね。問題点を問題点として繰り越そうとしていたというか。①②③の順番は違えど、なんか今日書類作ってたら、ざっくりこれを整理してたなという感じがして。

勿論、人の頭の中にある、経験や知見を全て承継することはできない、わけなのですけれど、エビデンスやアクティビティログをきちんと前年分踏まえつつ(誰しもが参照できる形で公平さの担保として持ちつつ)、上のようなポイントに紐付けていけば、マインドセットとして引き継げるのではないかなと感じました。で、マインドセットなんて、そんなに毎年大きく変更するものでもないから、小さな修正を重ねながら、ブラッシュアップしていけば良いのだろう、という。

人が違えば新しい戦術や方策もあるだろうし、新しい解釈や、新しい指標、新しいベンチマークやフィードバックの方法もあろうし、新しいチャンネルも新しいネットワークの拡がりもあるだろう。ただその基点に予め置くべきもの、って言うのを拘束力や強制力の発揮としてではなく、繰り越すのだと思うのですよね。考える方法論として、ないし、材料として。

でまあ、前年の問題点はまた1年かけて乗り越えれば良いよね、って言う。問題点を認識した時に思いついた解決策ではなく、って言うか。

そう考えると、なんかあんまり引き継ぎの時とかに「マインドセット」って言葉が持ち出されるイメージもないのだけれど、マインドセットの定義というか説明を読んでみると、ああ、これだな、という気がしたのでした。

そういうのが整理できて、人に渡せる形になってれば良いのだろうなあ、と思いました、承継。

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