『ばあちゃんの幸せレシピ』 中村優 – 「work」なだけじゃなくて、「life」2017/2/6

中村優さんが旅したという全世界84,448.56kmという旅路に比べるととても及ばないけれど、この本を週末のショートトリップの出かけの列車で読めたのは、何だかとても良かった気がしました。楽しみにしていた本、読みました。ばあちゃんの幸せレシピ。こういう仕事を「ライフワーク」って言うのだろうと思うのだけど、国内、国外問わず、色々な「ばあちゃん」を中村さんが訪問して(しばしばノーアポで現地入りして)、一緒に台所に立って、料理を教えてもらいながら色々な話をして来た時間が、軽妙に綴られています。面白かった。

ばあちゃんの幸せレシピ
中村 優
木楽舎 (2017-01-28)
売り上げランキング: 25,163

少し前のインタビューになるけれど、優さんには以前、ET Luv.Lab.でインタビューしています。もう3年前のことだから、本に書いてあることでフォローできていないことも多々あるのだけれど。

中村 優 – 「旅するレシピ」 – ET Luv.Lab.

本を読んで、このインタビュー、もう一度読み返したのだけれど、面白かった。彼女の各地での取材は折々でFacebookなどでも拝見していて、何かこう筋が通っているというか、最終的に本というパッケージになった時に、息づいているものが繋がっている、そんな感じがしました。

優さんが手がけるプロジェクトの1つ、YOU BOXでインタビューの中でこういう言い方をしています。

友達とも話してたんだけど、お金預けて、年に3回送って来てくれるんだよという話をした時に、「加藤さんがいくら動きまわっても行けないところに行ってくれてるみたいだから、いいですよね」という話をしてて。貴重だよね。

この本読んでも、なんか同じことを思いました。なんかそういう本だなと。

ところで恵比寿にキッチンわたりガラスという、優さんの師匠の村上秀貴さんのレストランがあり、今回、もう1人の師匠である柿原優紀さんとともに寄稿されています。その中にこんな話がありました。

優ちゃんがその場その場で選択するのは、とてもストレートに自分の「好き」が基準になっている。毎日好きなものを集めて歩いているようなものだ。だから、食べるもの、会う人、持つもの、仕事、彼女を囲むすべてのものは好きなものばかりで出来ている。

良し悪しを論ずるではなく、だから「問答無用」みたいなこと。それでぐぐっと「好き」への間合いに踏み込んでいくようなことに、優さんの力強さはある気がしていて、なんかその「好きを巡る冒険」みたいなことがとても楽しい。

そう言えば、ばあちゃんの幸せレシピの紹介なのに、ばあちゃんの話、全然書いてないんだけど、表紙になってるばあちゃん、マリニーさんというんだそうだけれど、その写真についてるキャプションを引用するとちょっと本の雰囲気が伝わるんじゃないかなと思いました。

家を出るとき、ばあちゃんは高いところに咲く不思議な花をうんと背伸びをして取ってくれた。「夕方になると香りがしてくるから」と。家に帰り楽しかった余韻に浸っていると、夕方、バナナの香料のような香りが漂ってきた。すぐに香りが消えてしまう気がして、記憶に留めようと急いで花に鼻を近づけた。

なんかそういう本です(色々はしょったw)。是非読んでみてください。結城に向かう道すがら、僕は湘南新宿ラインでずっとニヤニヤしながら読んでました。

最後にこの記事の副題につけた「work」なだけじゃなくて、「life」、ということなんだけども。

「僕にとってチーズ作りは、『work』なだけじゃなくて、『life』なんだよね」 – スペインからYOU BOXがやって来た : kosukekato.com : the idea espresso

そういう仕事だと思うし、僕もそういう仕事をしていきたいな、そんなことを思う本でした。お薦め。

ばあちゃんの幸せレシピ
中村 優
木楽舎 (2017-01-28)
売り上げランキング: 25,163
ひとり仕事: フリーランスという働き方
(2012-10-5)
売り上げランキング: 14,705
100円