始める人、続ける人、終わらせる人 – 奨学金支援プログラム「カナエール」終了について2017/4/5

いつ書こうかなあとは思ってたのですが、良いタイミングかなと思って。この5年ほど実行委員として関わって来た、児童養護施設を退所する若もののための奨学金支援プログラム、カナエールですが、2017年が夢スピーチコンテスト、最後の開催となります。3月31日に、運営母体であるNPO、ブリッジフォースマイルよりその終了が発表になっています。

奨学金支援プログラム「カナエール」終了について | Bridge For Smile(ブリッジフォースマイル)

こちら是非読んでみてください。今回の決定に至った経緯、背景としての子どもをめぐる環境の変化、そして、NPOが社会問題の解決に対して果たすべき役割について、代表の林さんよりメッセージが掲載されています。

ご案内にあります通り、基本的にはとても前向きな判断で、奨学金支援という体力的にかなりタフな事業を、支援対象者数を絞る代わりに、多くのボランティアやサポーター、スポンサーを巻き込んで、資金と意欲の両面から支援して来たプロジェクトでしたが、カナエールは7年の歳月でスピーチコンテストという形での開催を終え、社会的に一定の役割を果たしたという認識とともに、今後は行政、他団体がまだまだフォローしきれていない、意欲やキャリアの支援の分野にフォーカスして、引き続き子どもたちの支援にこれまで以上に取り組んでいく、ということでした。

僕としては残念な気持ちはほとんどなく、きちんと先達から受け取ったバトンを携えて最後の開催をやり遂げることが使命だと思っています。社会がこんなにも早く問題の重要性と具体的な解決策を総掛かりで打ち出すことは、昨年段階では想定しておらず、僕も2月頃この決定を聞きまして、最後の開催に向けて準備を進めて来ました。最後だからこそ、最後の開催ということにきちんと意味を持たせて、ここまでの7年間の積み上げられた子どもとそれを支える大人の挑戦の価値を最大化することが、プロモーションの役割だと考えています。

カナエールが世の中を変えた、わけではありませんが、世の中が変化しようとすることに対して、多くのステイクホルダーを巻き込んで最大限できることをやって来たプロジェクトです。支援可能な対象者数は限られているものの、2016年度終了段階で、カナエールに参加した奨学生は100名を数え、7年続いて来たことには大きな意味があります。給付型の奨学金支援プログラムの先鞭として、色々なところで参照されています。

一方で、行政や他団体が奨学金支援に本腰になって取り組み始めた今(リリースの参考資料1がわかりやすいと思います)、それらと並列に並んだ時に、支援プログラムとしてのカナエールは歪にも映ります。親を頼れず児童養護施設で過ごす子どもたちは全国で3万人、それに比べてカナエールというプログラムでサポートできる子どもたちと、そこに注がれるリソースのボリュームは、綺麗にバランスしているとは言い難い。それを承知の上で、カナエールに参加する子たちが、120日間大人と時間を共にして、後に続く子どもたちのロールモデルとなるような、そんな子たちが巣立つことを目指して、カナエールは運営されて来ました。

今後はより多くの子どもたちが、より多くの選択肢の中から自分の進みたい道を選ぶことができるようになります。一方で支援活用の有無で子どもたちが二極化していく、という問題の指摘もあり、これで問題が解決したとも言えません。

児童養護施設で育ったボクが社会に巣立つ前に伝えておきたいこと-なぜ、多くの子どもたちが支援からこぼれ落ちていくのか? / ひみつ基地

資金の支援は充足しつつあるものの、先に挙げた意欲やキャリアなどの支援はこれまで以上に重要な意味を持って来ます。社会における役割分担が組み変わったということだろうと思っています。奨学金支援プログラム、カナエールの終了は、その役割分担の組み換えに対する、能動的なアクションだと思っています。

※勿論、スピーチコンテストの開催が終了しても、奨学金の給付と、奨学生たちのサポートは、彼らが進学先を卒業するまで続きます。

僕自身は今回の終了の決定に関わっていません。ただ、この決定に大きな意味を感じています。

3月31日以降、僕もこれまでカナエールを支援、協力くださってきた方々にご連絡を始めています。昨晩も仲間と確認していたのだけれど、多少の驚きとともに、好意的に受け止めていただいており、最後の開催に向けて協力してくださるご返答をいただいています。また、この規模のプロジェクトが、役割を終え、クロージングとともに最後の開催を迎えることは、社会貢献やソーシャルの畑でなかなか前例がなく、最後のカナエールに可能性を感じてくださる方々も多くいます。

始める人がいて、続ける人がいて、終わらせる人がいる。7年間、続いて来たものが終わった、ではなく、始めた、と同じくらいの、終わらせた、になるでしょうか。そうするために、このプロジェクトに関わる色々な人に覚悟が必要になって来るのだろうと思います。自分がそのために何ができるか。一人ひとりがより良くするために何ができるか。覚悟が問われる。みんなでやる、ということは、一人ひとりがやる、ということの集積です。子どものために始めたことを、子どものために終わらせる、そういうことにできるでしょうか。

カナエール 2017 夢スピーチコンテスト、横浜 7月1日、東京 7月8日、そして福岡 7月9日で、チケットは4月10日、Webサイトにて販売開始予定、今、最後の準備をしています。僕の周囲でも今年はスケジュール確保して、観に行きます、という声をいただいています。

最後のカナエール、最大限良いものにするべく頑張っていこうと思っています。どうぞ倍旧のご助力賜れますよう、宜しくお願いいたします。

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